年下の幼なじみ【完】
「翔くん、あそこにいるよ」
紫帆が教えてくれたところを見てみると、
翔と“ばちっ”と目があった。
翔…、また美里ちゃんといた…
あたしは、慌てて目を逸らした。
だけど
「─…葵」
翔があたしのところまで、来ていた。
「翔っ!」
「飯、食い終わった?」
「え?」
飯?
「うん、食べ終わったけど…」
「じゃ、ちょい、来て」
来てって、どこに?
それよりも、あたしたち、すごい注目浴びてる!
「あ、翔くん。ヤキモチ?」
紫帆が翔を茶化すように、余計な一言を言う。