年下の幼なじみ【完】
「じゃ、オレもあいつといないようにするから。
…葵もあの男といるなよ」
「うん…」
翔があの子と、仲が良いと思ってたから、安心した。
よかった
あたしが頷いたのに、満足してあたしとの距離を縮める。
そのことに、はっとしたあたしは、
「ま、待ってっ」
「なんだよ」
あたしが寸前で止めたからか、不機嫌そうな翔の声が耳に届く。
だって…
「翔、ここ学校だよっ」
「知ってる、別にいいじゃん」
「だって、こんなことして、誰かに見られたら…」
「こんなことって、どんなことしてほしいわけ?」
翔が意地悪そうに、笑う。