年下の幼なじみ【完】

そんな翔を軽くよけて、言葉を続けた。


「年下って、すぐカッとなるから、嫌だよね」



あたしに、尋ねるように言う長島くん。



そんなこと、ないのに…



「葵ちゃんには、オレの方が合ってると思うんだ。

頼りない年下なんかは、葵ちゃんには、合わないよ?」



そう、告げてからここの教室を出て行った。



翔は、年下だけど、全然頼りなくないのに…





そのことを翔に言いたくて、言いたくて



「翔、あたし…っ、頼りないなんて、思ってないよ」


あたしを見たまま、何も言葉を発しない翔。


だから、言葉を続けた。


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