年下の幼なじみ【完】
──…
「葵〜、またあんたち、怒られてたでしょ」
授業が終わり、紫帆の第一声がこの一声だった。
「っていうか、紫帆!
なおちゃん、赤点数学しかないんだって!」
「え、なおちゃん、今回は数学だけなんだ」
紫帆が驚きの声をあげながら、なおちゃんに聞いた。
「おう。今年の夏は、部活が出来るぜ」
「ふふ。なおちゃんってば、部活しかやることないもんね」
紫帆がなおちゃんをからかうようにして、言った。
「いいんだよ
部活が出来れば幸せだし」
そう言って、男子たちのところに行ってしまった。