年下の幼なじみ【完】
翔Side
「あたし、ただあたしのお兄ちゃんに頼んだだけなのっ」
「…お兄ちゃん?」
「そう、あたしのお兄ちゃんは、葵先輩を気に入ってるし、あたしは翔くんが好きなんだから、力を合わせようって」
長島のその言葉を聞いて、やっと理解した。
長島とあの男は、兄妹ってことを。
「おまえたちのせいで、葵がどんな気持ちだったか分かってんのかっ」
オレが図書館の机を蹴ると、ビクッとする長島。
「─…ごめんなさい」
オレに謝ってきた長島。
「─…おまえ、来いよ」