年下の幼なじみ【完】
長島の腕を掴んで、歩いた。
「えっ、行くってどこに?」
「謝るのは、オレにじゃないだろ」
大人しくなった長島を見て、理解したらしい。
第二校舎に入った。
「おい、教室はどこだよ」
「そんなの、わかんないよ…」
長島が答えたとき、焦りが生まれてきた。
「くそっ」
この間にも、葵はあいつに何をされるか分からないっていうのに。
『……ゃ…』
「何か聞こえた…」
誰かの声が聞こえた。
「え?」
『…やっ、翔っ!』
この声は、葵だ!
オレは、声が葵だと分かった途端、長島の腕を離して走り出した。