年下の幼なじみ【完】
誰かの声がして、驚きながらも、急いで涙をふいて声がする方に振り向いた。


さっきまで泣いていた目で見てみると……


「……小沢?」


「えっ、なおちゃん?」


そこには、なおちゃんがいた。


「どうしたんだよ。家に帰ったんじゃなかったのか?」


そう言いながら、あたしのところに近づいてきた。


そして近づいてきた途端、ぎょっとされた。


「どうした、その目?泣いたのか?」


「なおちゃん…」


なおちゃんの何気ない優しさに、また涙が出てきた。

「とりあえず、そこの公園にでも行く?話、聞くからさ」


「うん…。ありがと…」
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