はんぶんこ。


――でも、ちゃんと分かってたよ。

言葉は乱暴だけど、
ほんとは心配してくれてたこと。
千夏の優しさは、少し不器用で気付きにくいけど、伝わってたから。


「何よ、その顔は?」
「何もっ。ただ……ありがとね」


あたしが笑うと、千夏も笑った。
照れ隠しに「果歩はいいね。理玖君は幼なじみで岡田君は彼氏でしょ?」と言いながら。


「いや、前半合ってるけど後半違うから」
「あ、もうすぐ彼氏になるんだっけ?」
「違うってば。もーっ、千夏!」
「あれー? 果歩先輩っ?」
「え?」


いきなり入ってきた第三者の声に、千夏と顔を見合わせた。

あたしのことを果歩先輩って呼ぶのは、一人だけ。声の方へ振り返ると、やっぱり彼だった。


「駿くん」
< 41 / 41 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:0

この作品の感想を3つまで選択できます。

この作家の他の作品

Dear.
美々香/著

総文字数/5,018

恋愛(その他)15ページ

表紙を見る

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop