哀・らぶ・優
――ガチャッ。
家の、ドアをあける。
小さなワンルーム。
そこに広がるのは小さな暗闇と底知れない孤独だ。
「はぁ…」
たまらず溜息が漏れる。
電気をつけると、暗闇は消えたが孤独感は余計に募った。
真一がいなくなってからもう二週間になる。
たった一人がいなくなっただけで小さいはずの部屋も広く感じてしまうんだから、人間って不思議だ。
真一は、どこに行ってしまったんだろう。
行き先も何も告げず、どこへ何をしに行ったんだろう…。
あたし達は付き合ってたわけじゃない。
あたしが真一を街で拾ったんだ。
寂しいから、ちょっとした気まぐれで部屋に住まわせた。
だから出て行った事に何かを言えるわけではない。
だけど……
あたしは真一に会いたい。
会いたいんだ。