哀・らぶ・優
目の前の君は、複雑に顔を歪ませる。
きっともう、終わりなのだろう。
「ねぇ、もうやめようよ。」
静かな君の声。
「知ってると思うけど、私本当はね…」
「やめろよ。」
僕はその声を遮断する。
本当の事なんて、聞かなくていい。
全部分かっていた。
いつか嘘が本当になるんじゃないかって、信じたかった。
僕が騙され続けてさえいれば、君の心さえ変わっていくんじゃないかと期待していた。
それが叶わなかった今、君には最後まで嘘をつき通してもらう。
それは君に対する小さな復讐でもあるし、
そうすることで少しでも僕が救われるからでもある。
泣きそうな君の髪をなでる。
これで最後だ。