哀・らぶ・優
雨の中泣きながら自転車をこいだ。



雨にぬれたことが悲しいんじゃない。

天気予報を見ずに家を出たことも、
天気予報を見たとしても、忘れ物を取りに戻ったせいで時間がないから自転車に乗って駅まで来たことも、
そこまで言うなら駅から遠くに住んでしまったことも、
大量にお菓子を買いこんで食べつくしてやろうとか考えながら、結局会計は525円だった貧乏性な自分も、
色々なことに対してぬかりがありすぎる自分も、悲しくないといったらウソにはなるけれど。


でもそんなことで泣くほどあたしは幼くない。
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