嫌いだ、大好きだ。
ピーンポーン



この音が私を急がせた

『はいはい』といいながら

荷物を手にいっぱい持つ



ピーンポーン


またなる呼び鈴に少しいらだちながら

鏡で最終確認



『よしっ!』




ガチャッ



「おっっそ!!お前はナマケモノより遅いな」


本当に嫌そうな顔をして立っているのは

私の幼なじみ櫻木亮(さくらぎりょう)



『うーるっさい!!ばーか。ハゲ頭』

「誰がハゲじゃブス!!」



朝から喧嘩これはいつものことだから慣れっこ

ちっちゃい時から一緒にいるのに

全然仲良くない

喧嘩するほど仲がいいなんて嘘だ

胸張って主張できる





『あーぁなんで亮はそんなに性格がど悪いんやろぉ』

「あーぁなんで千春はそんなにブスなんやろぉー」

『なんじゃとゴラァ!!!!!』


相変わらずこいつは腹たつ!

恋する乙女にそんな事言ってええのか!!




「大人になったら告訴してやる」

「あ?望むところじゃブス」

「だから、ブスとか言うなーーー!!」




朝にこんなにはしゃいでいるのは

私達だけ

だからこんなに声が通るんです
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