遙か彼方
二人で小さな窓に寄りかかり、窓の外のヒマワリを眺めた。
ヒマワリは種を沢山つけて今にも首が垂れてしまいそう。
「美桜」
「何?」
「明日から昼間は来れない」
「え?」
「ごめんね」
嘘…。
何で?
昼間は会えない?
「何で?」
「お盆休みが終わるから。学生たちが戻ってくる」
今日までだっけ、お盆休み。
夏休みはまだ終わらないのに、学生はもう戻ってくるのか。
やっぱり大学の仕組みはわからない。
「そっか…」
また一人の読書タイムが始まるのか。
「夜はいるから」
「…うん」
「いつでもおいで?」
「毎日行く」
当たり前でしょ。
私には貴方しかいない。
だから“いつでもおいで”なんてわかりきったこと言わないで。
いつでも来ていいと言われたこと事態は嬉しい。
でも少し悲しい。
その後、数時間を図書館で過ごして寮に戻った。