遙か彼方
命?
あと6日?
私はその場に呆然と立ち尽くすしか出来なかった。
言葉の意味が理解出来ない。
というよりも、理解したくない。
……命が、あと6日。
理解したくない言葉は、何度も私の頭で繰り返される。
手が震え、足が震え、息が苦しい。
目の前がチカチカする。
「美桜?……知らなかったのか?」
「どういう…こと……?」
「彼は人間じゃない」
「…知ってる」
「彼は宇宙人だ」
「知ってる!!あと6日ってどういうこと!?」
私は彼をどこまで知ってるの!?
彼は私に全部は話してくれていないの!?
ハルカの話をしてくれた!
病気の話をしてくれた!
家族の話をしてくれた!
……でも。
……それでも。
たったそれだけ。
たったそれだけで私は彼の全てを知った気でいた。
全て、なんてなかなか知れるものじゃない。
たった4日間の付き合いで、何を思い上がっていたのだろう。