遙か彼方
「約束?」
「そう。約束してくれる?」
「何を?」
「……」
私は足を止めた。
手を繋いでいた彼も必然的に足を止める。
「昨日私ハルカに行くって言ったけど、それっていつになるかわからない話でしょ?だから葵が会いに来て?必ず、病気を治して私に会いに来るって約束して?」
「……もう一度、…美桜に会いに?」
ゆらゆら揺れる金色の瞳に私は小さくうなずいた。
「うん。約束してくれる?」
「僕だってそうしたいけど……」
「いいの。約束が欲しいの。それに佐山さんに言われたんでしょ?男らしくしろって」
「…あぁ。……そうだったね」
彼の瞳が強く私を見つめる。
「わかった、約束する。もう一度美桜に会いに来るよ」
「うん。ありがとう」
「その代わり、今度は美桜が僕に約束して?」
「何?」