遙か彼方


佐山さんと別れて、1人電車に乗って学校を目指す。

学校の最寄りの駅で降りれば、桜並木を通って行くのが学校への道のり。


通い慣れたこの道は、この時期だけ私にとって特別なものへと変化する。

満開の桜に囲まれて、誕生日なんだと、18歳になったんだと実感する。



あれからバイト生活を経て、春から高校生に戻って一年が過ぎた。

入学してすぐに学校にいかなくなった私の場合、同い年の友達はいなかったから気まずいことも無く、入学したてみたいにまた新しい気持ちでクラスに加われた。

同じ中学の子も多少いたけど、学年が違えば交流もほとんど無い。

今のクラスにはちゃんと友達もいるし、順調に高校生活を満喫している。



ちゃんと、生きてる。

充実した毎日を生きてる。



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