遙か彼方
「それと───」
まだ何かあるの?
寝言を言うな、とか?
そんなの私の意志じゃないから言うなって言われたって無理だ。
「───さっきから外で呼んでる奴がいる」
……はい?
呼んでたのは先生じゃ──…。
“よんでる”?
「たーきーざーわーみーおー!!いないのかー!?」
「えっ!?」
私は頭で考えるよりも身体が先に動いていた。
勢い良く立ち上がって先生が「おい!」と言うのも聞かずに教室を飛び出した。
嘘。
嘘、嘘。
そんなはずない。
居るはずがない。
だってもう二度と地球には来られないって言ってた。
何で?
何で居るの?
でもあの声は紛れもなく彼の声だ。