遙か彼方
私の居場所
8月中旬、世間はお盆。
大学は夏休みに入っていた。
お盆でほとんどの学生が実家に帰っているのか、寮の中はガランとしている。
だけど私の日常は変わらない。
この寮に来てから4ヶ月が経つ。
寮生達の痛い視線は今ではもうない。
痛い視線どころか、私に視線を向ける人はいなくなっていた。
━━━━━“透明人間”。
そんな感じ。
でもそれもどうでも良かった。
むしろ放って置いて貰った方がありがたい。
変に気を使われても気が引けるだけだし。