遙か彼方



早く起きても図書館は早く開かないし、朝ご飯の時間も変わらない。


私はクーラーを点けてベッドに転がった。

そして目を閉じる。




……あの白い肌。

白人より白い気がする。


人間の白さじゃない。


……………。



いやいや。

人間じゃなかったら何なんだ。


肌の色以外はおかしな所はないし。

といってもほとんど素顔は分からないけど。



あのサングラスは何だろう。

ファッション?


でもパーカーはお洒落の欠片もない。

彼の体格には大きそうで、袖が長くて腕をだらんと下げていると指の先まで隠れてしまっていた。

ファスナーも首元までしっかり締まっていた。



サングラスは夏の眩しい陽射しを避ける為だと思えば納得がいく。

図書館の中でまで掛けていることはないと思うけど。



でもあのパーカーは分からない。

暑いだけじゃない?




服装も行動も変な人。





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