遙か彼方



彼の半袖のTシャツから出ている腕は、顔と同様に白い。


フードを被っていない頭は、ゴワゴワで金よりも薄い色の髪の毛が重力に逆らって広がっている。

それは何だかライオンの鬣(タテガミ)のようだった。



そして何より私に恐怖を与えたのは、彼の瞳。

サングラスをしていない彼の瞳は金色に輝いていた。

白い肌に金色の瞳がやけに映えて、余計に恐怖を煽る。


彼を怖いと思ってしまうことは、いけないことだということは分かっている。

分かっていても感情のコントロールは出来なかった。


怖いものは、怖い。


だって……。

金色の瞳の人間なんて聞いたこともない。


人間、じゃない……?



そう思うだけで恐怖は募る。

いけないと分かっているのに。






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