遙か彼方



夜風にカーテンが揺れる。


その窓際に彼は胡座をかいて座った。

「座る?」

彼は自分の隣の空いているスペースをペチペチと叩いて私に座るように促したけど、私はそこに行けなかった。

昼間は平気でそこに居たのに。


私は3mは離れているであろうその場に座った。

そんな私の行動にやっぱり彼は悲しい顔をする。


「僕らが地球に来たのには理由があるんだ」

それを気にしないように彼は話の続きを話し出した。


「僕、昼間は肌をなるべく出さないようにしてるでしょ?」

「うん」

「太陽の日射しを避けてるんだ。太陽は、僕らを死に追いやる」

「え?」

何?

今、死って言った?

「ハルカではね、多くの人が25歳でこの世を去る。病気…なのかな。その原因が太陽だってことは分かってるんだ」


こんな展開想像もしていない。

25歳で死?

病気?

太陽が原因?


何だか私が聞いてはいけない話な気がしてきた。






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