遙か彼方
結局ずっとそんなことを考えながら買い物をしていると、空はいつの間にか真っ赤に染まっていた。
帰りの車、佐山さんのくだらない話は延々と続いた。
それが佐山さんの優しさだってことに最近気が付いた。
最初はただのお喋りなんだと思っていた。
まあ、お喋りにはかわりないんだけど。
私が喋りたくないと思っている時は、一人で喋っていてくれる。
今の私は、たまにしかしない買い物で疲れきってぐったりしているだけなんだけど。
今日はあまり“話し掛けるなオーラ”は出していないと自分でも思った。
だから佐山さんも今日はいつもより話し掛けてくれた。
それはそれで面倒な質問もあるけど、嫌ではない。