遙か彼方

久しぶりの再会




佐山さんが迎えに来てくれるまで時間があったから、私は図書館に向かった。

だけど、いつもの場所に彼は居なかった。


夕方待ってるって言ってたからかな。


窓際に座ると何だか寂しく感じた。

いつのまにか彼の居るこの場所が当たり前になっていたみたい。

隣に誰も居ないのは寂しい。

寂しさをまぎらわそうと、立ち上がって窓の外を覗いた。

そこには相変わらずヒマワリが咲いている。

彼の好きな花。

──────『向日葵』。



今度ハルカの話しでも訊いてみよう。

ハルカにはヒマワリあるのかな?

そういえばどうしてヒマワリが好きなのか聞いたっけ。


よく考えたら私は彼のことをよく知らない。

彼のことを知りたい。



この気持ちは─────……。






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