遙か彼方
2時になる少し前に寮に戻ると、食堂にはすでに佐山さんが来ていた。
「あ、おかえり」
「すいません。待たせちゃって」
「今来たところだから大丈夫だよ。て言うか俺より美桜ちゃんは本当に大丈夫?」
「え?」
「お父さんと会って」
「…大丈夫です」
大丈夫。
そう言い聞かせていないと決心が揺らぎそう。
だから私は何度聞かれたってそう答えるしかない。
大丈夫、と。
「分かった。行こう」
「はい」
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