あのころ、グラフィティ
「それがね、それがね。マコちん、こっちに住むんだって。」

「そうなの?なんでまた?」


理由なんて記憶喪失しかないじゃないか。


「ぅんとさぁ、...マコちんの、、お母さん?いや、お母さんね、出張するんだってさ!...でね、それでね、、」



いつまでその嘘が通用するんだろう。
僕のお母さんが目覚めるか、僕が記憶を思い出すかで、また向こうに戻らなきゃならないのに...。


「まぁ、なんでもいいけど......マコ、大丈夫なの?」

「大丈夫?何がです?」

「ああああ!!ねぇちゃん、その話はしないでぇ!」


珠子さんは桜ねぇさんとコソコソと話し始めた。

その後、桜ねぇさんはこっちを見て謝った。
僕には当然のことながら、さっぱりわからなかった。



「マコちん!!散歩しよ!町案内するよ!前と変わったとこいっぱいあるんだぁ。ささ、早く早く!」

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