あのころ、グラフィティ
タマ グラフィティ
マコちんがこの町に来て、2日目ー



このあたし、里山珠子。
朝起きて、眠たい目をこすって歯を磨き、洗面所の鏡の前に立つと鼻の上にニキビが出来ていた。


「ぎょ!?」


この間やっとおでこのニキビが治ったばっかなのに。


「どいて邪魔。」


後ろから朝帰りのねぇちゃんがあたしを押っつけた。
ねぇちゃんの体からはアルコールの匂いがプンプンする。


「うわっ!?酒くさっ!また飲んできたの?」

「なにその顔。」

「もうやめた方いいよー。アル中にでもなったらどうすんの。」

「うっさいねー。そんなに飲んでないし!...あ、ニキビ...ニキビできてるよ。」


「うっさいなー!見ないでよ。」


あたしは両手でニキビを隠した。





朝は必ずマコちんを迎えに行く。店に並んでるりんごを手にもち、マコちんの家まで行く。
りんごはマコちんの昼のデザート。昔からマコちんの大好物。
...今も変わってなきゃいいけど。




「マーコちん!」


奥から足音がする。
きたきたっ!マコちんだ!


「おはよ!今日もかっくいー!」

「いつもいつも同じこと言ってるね。......タカさん、それじゃ行ってくる!」

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