あのころ、グラフィティ
オレはバスケ部と生徒会、2つかけもっている。最近は試合が近かっためバスケ部を優先していて、家に帰るのはいつも7時ぐらいになる。
俺の家は寿司屋。
夜が賑わうため、店からの入り口ではなく、別の玄関から入る。
「貫、おかえり。」
母さんが店の中からオレに言った。
「ただいま。」
台所に行って、テレビをつけ、冷蔵庫からお茶を出して、飲む。
テレビの内容は、恋愛バラエティーで、草食系男子が女の子に告白するというもの。
恋愛恋愛って、こんなんばっかだ。
冷蔵庫をあけて、大好物のきゅうりを食べようと思ったら、ない!
「母さん、きゅうりがないんだけど。」
これはオレにとって一大事なんだ。
「あれー、入ってない?」
「あーそうだ。お前のきゅうりなら、福食べてたぞ。」
魚をさばきながら、父さんが言った。
アイツ...
「まだ、八百花やってるでしょ、買ってきなさいよ。」
「...そうする!」
食べ物の恨みは怖いぞ。
オレは八百花、たまちゃんの家に行く。