あのころ、グラフィティ
その後、僕を部屋まで案内してくれた。
昔、優子さんが使っていた部屋らしい。


自分の荷物を片付けて、一息つく。


ひとりにになって、考える。
あの人たちには、時間が流れてるのに、僕の時間は止まったままで、まったく動く気配がない。



自分も努力しなきゃいけない。
思い出す努力。




横になっていた体を起こして、一階へと降りる。


「あれ!?マコくん、どうしたの?」

「あの、少し...外を歩いてきてもいいですか?」

「いいけど...大丈夫なの?」

「大丈夫です...」

「でもね......それじゃぁ、携帯の番号教えて。家の番号も教えるから。何かあったら電話するんだよ。」

「はい。」

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