あのころ、グラフィティ
「あ!!は!?え!?!?...もももももももしかして!?!?マコちん!?」


『マコちん?』僕のことだろうか。


「やっぱ!!マコちんだ、マコちんだ!!」


彼女は僕に抱きついてきた。

あまりの出来事にどうしたらいいかわからず、僕はただ呆然とするだけだった。






大興奮している彼女に連れられ、家の中にお邪魔した。


彼女は珠子と言った。幼いころ、僕とよく遊んでいたらしい。


オレンジを絞って、水で薄めた100%ジュースをテーブルに置いた。


「マコちんに会えるなんて、マジ奇跡!!」

さっきから同じ言葉を何回も発している。

僕も、『あの...』とか『えっと...』とかを繰り返してる。

だって、僕にしゃべる機会を与えてくれない。


「ねぇ、あたし色っぽくなっちった!?あれから13年だし、誰だかわかんなかったでしょ!」


今もわかりません。


「あの、実は...」

「でもなんで戻ってきたの?だって、ずっと帰ってきてなかったのに...」

「それは、、」

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