続・年上の男
「迷惑じゃ・・・ないですか?」
「全然」
「本当に?」
「本当に」
「社交辞令じゃなくて?」
「うん。・・・って、それも達人が言ったの?」
「あ、はい。メールとかダメって言わないのは、大人の社交辞令だって・・・」
「達人は・・・時々余計なこと言うな・・・」
「え・・・」
ニヤリと笑う。
「柊子ちゃんが困るのわかってて、言ったんじゃないの?」
「・・・どうかな?・・・そうなのかな・・・」
首をかしげて考えると
「ププッ・・・まぁ、達人の気持ちもわからないわけじゃないけど・・・」
なんて言いながら、矢崎さんは海を見つめてた。
横顔・・・好きだな。
「・・・光線でてる・・・」
「え?」
慌てて目を逸らすと、クスクスと笑ってた。
矢崎さんが何を言おうとして、私に何を思わせたかったのか良くわからないまま海を眺めていた。
それから、そのまま何事もなく車に乗って、家まで送ってもらった。
またドライブに連れて行ってくれる事を約束して。