続・年上の男
偶然
ドライブをしてから、もう2週間が経とうとしていた。
私は毎日変わらず学校に行っている。
あれから変わった事といえば・・・・メールが増えたこと。
そしてメールだといろんな事が聞けてしまう。
本当に便利な道具だと思う。
秋は蜂が一番活発に動くらしく、毎日のように蜂の巣取りに追われているらしかった。
矢崎さんの仕事は簡単に言うと便利屋さん。
社長がなんでも引き受けてきてしまうらしく、それをこなしているうちにある程度は出来るようになったとか。
学校行事のマラソン大会が終わった11月末、学校の帰りにN会社の車を見かけた。
誰が乗っているのかもちろん気になる。
ちょうど1人で歩いていたから、物陰に隠れてそっと覗いてみる。
・・・矢崎さんだ。
意外に気にしてると見かけるものだなぁ。
・・・これって本当に運命じゃないの?・・・ウヒヒ。
車には乗っていなくて、私が見ている方には背中を向けている。
後姿でわかっちゃうなんて・・・ハマってる証拠。
隣にいる男の人は・・・・織田さんだ。
横顔がちらりと見えたから。
「そうなんすか」
矢崎さんと織田さんは何か話しているようだったけど、私からは場所が遠くていまいち聞き取りにくい。
「おお・・・」
少し元気が無い?矢崎さん。
「だけど、柊子ちゃんって・・・・」
ん?
私?
今、私の名前でた?
肝心なところがなかなか聞き取れない。
しかも、なんで織田さんが「柊子ちゃん」と、言っているのか・・・。