続・年上の男
「ええ~、そうですか~」
織田さんの方が年下なのか、矢崎さんには少し敬語を使ってる。
私は・・・ドキドキしてた。
私のいないところで、私の話をしている人の会話を聞くのは初めてだった。
変なこと言わないでくださいね・・・矢崎さん。
「妹っすか」
妹?
確か矢崎さんは男3兄弟のはず・・・って事は、織田さんの妹?
「そーなんだよな」
矢崎さんの声を聞くとドキドキが加速する。
「妹・・・。それじゃ・・・・・たら・・・大変な・・・すね」
途切れ途切れの言葉たちを必死で耳に入れようとする・・・私のこと?
「だろ?・・・・だと・・・柊子ちゃん・・・・妹じゃ・・・よな」
「妹じゃ、手は出ないですね・・・」
妹!?
私の名前がでて、妹って事は・・・
もしかして・・・矢崎さんは私のことを妹としか思ってなかった?
後ろ頭を殴られたようなショック。
・・・真っ白になった頭の中。
自然にその場所から離れて歩いていた。
妹。
矢崎さんが言った言葉。
もしかしたら・・・お姉ちゃんの妹って事だったのかな?
だけど、「手はでないですね」って言ってた。
妹には手を出せない・・・・私は矢崎さんの妹にしかなれなかったって・・・ことなのかな・・・・。
どうやっても、恋愛対象にはならないってこと?
初めから、この恋は実らなかったってこと?
仲良くなってきたところだったから・・・淡い期待をしていたときだったから、現実を突きつけられ・・・何をどう考えればいいのかわからなかった・・・。
そして私は、その日から・・・・・・メールを送るのをやめた。