続・年上の男


「どうぞ」

矢崎さんが渡してくれたのはタオル。

「そこ、洗面があるから顔洗っておいで。歯ブラシもあるから」

「あ、ありがとう・・・ございます?」

なぜ疑問符がつく・・・。


言われたとおり顔を洗って、歯を磨く。

なぜ・・・私はここにいるの?

ここは・・どこ?

頭に???だらけで用をすませ、ソファーに戻ると

「どうぞ」

温かいコーヒーを出してくれた。

「ありがとう・・・ございます」

「どういたしまして」

矢崎さんもソファーに座る。


「・・・あの」

「ん?」

「なぜ私はここに?と言うか・・・ここはどこですか?」

私の質問に少し怖い顔になる矢崎さん。

「ここは俺のアパート」

「あ、そうです・・・・ええええ!?あ、アパート?」

「そう」

アパートって・・・矢崎さんのぉ??

「なんで・・・」

「覚えてない?」

「・・・はい。・・全く・・・」

どうしてこんなことになってるの?


「昨日の夜は誰とどこに行った?」

「え・・・遥と真君と居酒屋に・・・」

「そこで何のんだ?」

「えっと、ウーロン茶とオレンジジュースとカシス?」

「オレンジとカシス・・ね。何杯くらい?」

「5杯までは覚えてます・・・遥に帰るよって言われて・・・それから全く・・・」

「覚えてない?」

「・・・・はい」

はぁ・・・とため息をつく矢崎さんは、チラッと私を見てから、また前を向いた。








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