ささやく言葉はI  LOVE YOU


「オレが逃げてる?」

ジャスティンの綺麗な顔が
怒りに満ちていた。


「そうとしか思えない!
お前は州代表に選ばれた。
凄いと思うよ。
みんなの期待に見事応えた。
今までいい子過ぎるほど
いい子だったからな。
でも
事故にあった、
怪我をした、
生き残った、
今まで通りにプレイ出来るか
不安だったんだろ?
いい子でいる事に
いい選手でいる事に。
言い訳する
チャンスが出来た・・。
ってとこだろ!」



「オレは逃げてなんかいない!
ジョンを言い訳になんてしてない!
おまえら仲間だった奴が死んで
悲しくないのかよ?
’お前が生き残ってよかった’って
言ったよな。
ジョンの死をそんな一言でかたずけるなよ!」

ジャスティンの顔も

キャプテンの顔も

怒りを通りこして悲しい目をしていた。
私は何も出来ず
何も言えず

二人を見ていた。



キャプテンが静かに口を開く。



「おれ達がそんなに冷たいと
思ってたのか?ジャスティン?」


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