ささやく言葉はI LOVE YOU
ジャスティンがハっとした
表情をしたのを
私は見逃さなかった。
何か言いたそうだったけど
引っ込みがつかない感じで
私の手を取り
キャプテンの前から
逃げるように駆けていった。
「・・・手が、手が痛いよ・・」
ぐっと握られた手首が赤くなっていた。
「SORRY・・・・・」
(ごめん)
「・・うん・・・。
ジャスティン、
キャプテンの言った事
考えてみたら?」
何も言わないで私に顔を向けた
その目は涙が溜まっていた。
私の手をグイっと引っ張ると
無理やりキスをしてきた。
いつもは柔らかい唇が
針のように尖って私の
心を痛めつける。
強くアイツの胸を押す。
だってこんなの嫌だよ。
大好きな人とのキスなのに
全然嬉しくない・・・。
横をむいたアイツは
小さいときの’ジャジャ’の顔に
戻っていた。
「SORRY・・・」
2度目のSORRYに
返事をしないで
私は一人
みんなの所へ
走っていった。
「SORRY・・・由香」
3度目は私の耳には届かなかった。