ささやく言葉はI  LOVE YOU

私達はあずき味の唇を
何度も重ねる。

急いで食べないと溶けてしまう
アイスみたいに・・・。


「・・・由香・・」


真剣な顔で私の名前を呼ぶジャスティン。

なに?なに?

ここから先は・・・・・。

きゃーーー、どうしよう!!?


意を決したようにもう一度
私の名前を呼ぶ。


「由香、オレ9月の新学期から
アメリカに戻ろうかと思って・・・」



ええっ・・・・・・。

言葉にならない。

私一人夢の中にいて
甘いキスの延長上にこんな現実が。


バカ見たいに浮かれてた。
恥ずかしい・・・・。


「アメリカでもう一度
バスケをやってみようと思って・・。
ここには半分逃げてきたみたいな感じ
だったから。
今度は逃げ出さないでやってみたいんだ」


喉の奥で音がなる。
声にならない声で叫びそうになった時
階下で声がした。


「由香ねぇ、ただいま!今帰ったよ!!」


遼の声だった。



ただいま、帰ったよ。


今度はジャスティンが
この言葉を言う番なんだね。











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