ささやく言葉はI  LOVE YOU


めくり上げようとした
Tシャツをため息と共に
手を離したジャスティン。

歪んだ口をついて出てきたのは

「由香にもっと触れたら
心が弱くなって
帰れなくなりそう」
 
弱気な言葉。


「・・・私も同じ
行かないでって
言ってしまいそう」

思ったことを
口に出してみる。
私の今の本当の気持ち。


「私たち弱虫になるか
強くなるか試してみたい・・・。

深く触れ合う事で何か
印って言うか、
絆っていうか・・・。

う~んと、はっきり言えば
今、ジャスティンと抱き合いたい」


「由香、ごめん・・・・。
女の子にそんな事言わせて。
由香と抱き合いたい。
由香をもっと知りたい」


灯りもないのに
夕日はとっくに
沈んでいったのに
二人で見合わせた顔は
明るかった。


ジャスティンから
受けたキスは

あずき味やバニラ味の
アイスをたべてる時のように

私味の唇を吟味するように
ゆっくり、ゆっくり
すくいとっていった。


私の溶ける早さは
どのアイスより早かった。











< 181 / 210 >

この作品をシェア

pagetop