ささやく言葉はI LOVE YOU
めくり上げようとした
Tシャツをため息と共に
手を離したジャスティン。
歪んだ口をついて出てきたのは
「由香にもっと触れたら
心が弱くなって
帰れなくなりそう」
弱気な言葉。
「・・・私も同じ
行かないでって
言ってしまいそう」
思ったことを
口に出してみる。
私の今の本当の気持ち。
「私たち弱虫になるか
強くなるか試してみたい・・・。
深く触れ合う事で何か
印って言うか、
絆っていうか・・・。
う~んと、はっきり言えば
今、ジャスティンと抱き合いたい」
「由香、ごめん・・・・。
女の子にそんな事言わせて。
由香と抱き合いたい。
由香をもっと知りたい」
灯りもないのに
夕日はとっくに
沈んでいったのに
二人で見合わせた顔は
明るかった。
ジャスティンから
受けたキスは
あずき味やバニラ味の
アイスをたべてる時のように
私味の唇を吟味するように
ゆっくり、ゆっくり
すくいとっていった。
私の溶ける早さは
どのアイスより早かった。