ささやく言葉はI  LOVE YOU
啖呵を切ったあの日からバスケの練習に明け暮れた。


朝は早く家を出て、夜は泥のように眠る日がつずいた。


一緒の家に住んでるといえどもゆっくり話す機会もなく今日にいたる。


まぁ、アイツのことは学校で女子に世話を焼かれてるみたいだし、
心配は要らないね。




今日も練習はきつかったな。

バスを降りると見慣れた人影。

「おう・・。」

ちょっと息使いが荒い。

「走ってたの?」

予想外に会えて本当は嬉しいんだけど、
そんな顔は絶対に出来ない。


「体が鈍ってきたから、最近走ってる。」


体が鍛えられてるからタンクトップとトレパンだけなのに
凄くかっこいい。

その体つきからは泣き虫のアイツは想像できなかった。

私の肩から荷物をヒョイっと取る。

「もってやるよ、由香。」

「いいよ、重いから・・・。」

取り返そうとする私に

アイツはだまって腕の筋肉を私に見せる。

「DON'T WORRY!」

そして小さくウインク。


ドッキーーーーーーン!!








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