ささやく言葉はI  LOVE YOU
夜二人で肩を並べて歩くのは初めて。
マジ。緊張する。


「あの時・・。」


アイツが静かに口を開く。私は全身を耳にする。

「あの時の由香、幼稚園でみんなから俺をかばった時のままだった」


「そんな事憶えてないよ・・・。」

ウソツキ、由香。



「俺、泣き虫だったし、気が弱くていつもママの後ろに隠れてただろ?」

ヨワムシ、ジャジャ。

「みんなにからかわれると仁王立ちになって’あんたたちーー’って。
平気で日本語で怒鳴ったよな」

夜なのにくしゃっと笑った顔がそこだけ
ピカーーっと輝いた。


「由香ジュースかって来る、ちょっと待ってて」

コンビニに入るアイツをガラス越しに見る。


切れ長の目、きりっとした眉、すっと通った鼻、
少し厚めの唇がアイツの顔に優しさを加味している。


店員もアイツの顔をジーっと見ててお釣りを渡し忘れてるよ。


「ハイ、由香」

ジュースを渡す瞬間 指と指がふれた。

はっと顔を上げると
すぐそばにアイツの顔があった。









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