ささやく言葉はI LOVE YOU
「ムラタがどうしてここに・・・?」
宮本がビックリしてつぶやく。
そりゃそうだよね。
「由香、お帰り!
あなた、また食べ過ぎて
気持ち悪くなったんでしょ?!」
お母さんがよどんだ空気を
一掃するように
明るく私達を出迎えた。
「あら、あなた宮本君?
由香の事送ってくれてありがとう。
ねぇ
お礼代わりに夕飯食べていってよ」
いつもの変わらないテンション。
ちょっと空気読んでくれると
少しはたすかるのに・・・。
いつものアイツじゃないみたいに、
宮本へ
「入れよ」・・て。
なんだか感じわるい。
お母さんは喜んでキッチンに
食事の準備をしに行った。
感じが悪い空気を薄めるために
私はおどけて
「二回も吐くとやっぱ
お腹がへるね!!!
ミヤ、食べていきなよ!!!!」
受け取った鞄で宮本の背中を
バーンとたたいた。
宮本が鞄に詰めた思いは
こぼれ落ちて
私へと
向かってきた。