ラブランク
「ねぇ瑞紀さん、誰もいないんだし敬語…やめません?」

短い沈黙を破って、レイ

がそう言う。

「他に誰かいるのなら仕方がないけど、今は誰もいないし。それに俺、瑞紀さんと友達みたくお付き合いしたいし。」

軽い口調が私を吹っ切れ

させた。

「そうね。」

顔をあげると彼の笑顔が

あった。

友達みたくお付き合い…

っていうのが気になるけ

ど九つも年下の男(こ)

に敬語は……やっぱり疲

れる。

「瑞紀さん、彼氏います?」

急に何を言い出すのかと

思ったら−−−。

「いないわよ。」

「じゃ、好きな人は?」

「だから、いないの。」

そんな質問、私がもっと

若かったら『私に興味が

あるのかしら?』って勘

違いしてしまいそう。

「どうしてそんな事聞くの?」

昨日の菜摘からのメール

が頭を過(よ)ぎった。
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