ラブランク
渋々彼の隣に座った。

「俺、今日休みなんですよ。」

レイは爽やかにそう言う



「そう…。」

やっぱり彼は綺麗な顔を

している。きっとモデル

なんかでも通用するだろ

う。背も高いし、切れ長

の目もクールだ。肩にか

かる髪も似合っていて嫌

みじゃない。

「お待たせ。」

菜摘がビールを目の前に

置く。頼んではいないが

いつも最初の一杯はビー

ルだ。

「じゃ乾杯しましょ。」

菜摘は飲みかけのビール

を右手に持つ。

何に乾杯?私は彼女をち

ょっと睨む。どういうつ

もりよ…!

でも私は、喉がカラカラ

だ。歩いていた時間、お

いしいビールの事ばかり

考えていた。

レイもグラスを持つ。

私も目の前のビールを手

に取った。

「乾杯〜!」
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