ラブランク
ひどく長い沈黙が続いた

。段々、睡魔が襲ってく

る。カラオケが盛り上が

る程、私はイライラする



「で、話しは進んでる?」

菜摘はタバコとグラスを

持って、また現れた。さ

っきまでいた客はもう帰

ったようだ。

「一歩、進んでみたら。もういいんじゃない?」

その口調はひどく大人だ

った。

分かってるよ…どこかで

踏み出さなきゃない、っ

て事は。分かってる…。

「じゃ俺を知る事から始めませんか?」

レイは頬づえを付き私の

方を見る。

「わかった…。」

きっと酔いのせいだ。
< 29 / 72 >

この作品をシェア

pagetop