ラブランク
「俺さ、待ってるから、瑞紀さんの気持ちまとまるまで…。」

「………。」

膝を抱え、叱られている

子供のようだ。

「もっと俺の事、知ってもらいたいし!」

「うん……。」

海での開放感のせいだろ

うか……、私は素直にそ

う言った。

「もし、まだヒデさんの事……。」

「だから−−」

「ヒデさん戻って来てるんだ、この街に……。」

「えっ……。」

驚きのあまり、次の言葉

が出ない。ヒデが……戻

って来てる−−?

「先週、偶然会ってさ。ちょっと話したんだ。今建設現場で働いてるって。携帯番号も教えてもらった。」

「………。」

「話そうかどうか迷ったけど、もし瑞紀さんがヒデさんにこだわっているんなら、きちんと話したほうがいいと思って…。」

レイは私の方を見ずに、

砂に指で何か書きながら

そう言う。

聞きたい事がたくさんあ

った。他にどんな事話し

たの?一人で戻って来た

の?今までどこで暮らし

ていたの?美幸は……。

また、私の頭は混乱する

。ぐるぐるといろんな事

が回っている…。

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