ラブランク
それから私達はいつもの

ように他愛もない話しを

した。この前の海の事、

見たい映画の事、昨日の

ドラマの最終回の事……

。レイはどこにでもいる

普通の男の子だった。


レイは迷っていた。瑞紀

に、ヒデさんに会ってみ

たら…とは言ったが、彼

女を迷わせる結果にして

しまったのではないか−

−−。彼女は何も言わな

いが、きっと悩んでいる

だろう。でも、彼女の中

にまだヒデさんがいるの

は間違いなく、それで進

めないでいる。俺の考え

は間違ってはいないはず

だ…。例え、結果として

彼女が傷つく事になった

としても、俺がフラれる

事になったとしても、き

っと間違ってはいない。

レイはそう自分に言い聞

かせる。
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