ラブランク
店の中は、いつの間にか

瑞紀とレイだけになって

いた。菜摘や女の子達は

ボックス席で盛り上がっ

ている。

カクテルを飲み干し、思

い切って、

「私、ヒデに会ってみようと思うんだ。」

と言った。

レイは一瞬、驚いたよう

な表情を見せたが、

「そう言うの、待ってたよ。きっと瑞紀さんはそう決断すると思ってた。」

と、安心したような表情

で俯いた。

「私、思い紀ってやっとそう決心したんだ。どんな結果になろうと、もう決めたんだ…。」

「……。」

「ありがとう、レイ。きっかけ作ってくれて…感謝してる…。」

瑞紀の穏やかな表情に、

レイは目を細めた。

−彼女が決めた事だ。俺

は見守るしかない−

「じゃあ、ヒデさんに連絡取ってみるね…。」

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