ラブランク
「乾杯〜!」

グラスの触れ合う音が何

だか心地いい。私もこの

雰囲気に飲み込まれてき

たみたい。左隣にはアキ

ラって子が座った。この

子はレイよりは歳上だろ

う。

金髪の髪がなんだかホス

トです!って感じ…。

「お名前聞いていいですか?」

レイの言葉に彼の方を見

る。

色が白くて、キレイな肌

…。

「瑞紀よ。よろしくね。」

答えたのは菜摘だ。

「瑞紀さんですね。キレイな爪ですね。」

彼は私の手に視線を落と

していた。普段、仕事で

はマッサージをしたり細

かい作業があるので付け

爪はしないが、仕事以外

では付けるようにしてい

る。今日は自分でデザイ

ンした青のベースに花や

蝶を描いたものだ。アク

セントに薬指だけにライ

ンストーンを先にひとつ

付けた物。

「彼女、ネイリストなのよ。」

また菜摘が言う。
< 5 / 72 >

この作品をシェア

pagetop