ラブランク
「……うん。」

私は平静を装い、顔を上

げ彼の顔を正面から見つ

めた。

3年の月日が、感じられ

た。私が好きだった長い

めの髪型は短く、あの頃

より少し痩せている。

「…何て言ったらいいんだろう…、昨日まで色々考えてきたんだけど…。」

彼は、やっと聞こえるよ

うな小さい声で話す。

私もそうだよ、ヒデ。

彼はグラスを手に取り、

それを飲んだ。そして長

く息をはき出す。

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