ラブランク
「じゃあ、また子供が出来たら結婚しようか、って決めて。」

ヒデの声がだんだん、大

きくなっていく。

私は烏龍茶を飲み干し、

彼の過去を突き付けられ

戸惑っていた。

「でも…子供が出来なくてさ。それでもアイツは結婚しよう、っていうし。いい加減、俺もおかしいな…って思って…。」

「……。」

「それで思い切って聞いてみたら、三年前の妊娠は嘘だった、って…。」

もう倒れてしまいそう…

。頭の思考回路がショー

ト寸前…。

「何だか、ずっと騙されていたような気持ちになって、…それで別れたんだ。」

「……うん。」

彼も苦しんできたのだろ

う……。きっと美幸も苦

しんでいたのだろう……

。私は、そんな気持ちが

痛いほど理解出来る自分

に、内心驚いた。ずっと

苦しんできたのは、私だ

けじゃなかったんだ…!

美幸もヒデの事が好きだ

ったんだ。でも、私の存

在がずっと彼女を苦しめ

てきたのだ。きっと美幸

はそうするしかなかった

のだ…。

私は長くため息を吐き、

下唇を噛んだ。
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