ラブランク
「レイに感謝しないとな…。アイツのお陰で、また瑞紀に会えたんだから。ずっとずっと会って話したかったんだ。」

視線をレイの背中に向け

た。

「アイツがいなかったらきっとお前に会えなかっただろうな…。」

独り言のように、ヒデは

つぶやく。

「……。」

妊娠とまで嘘をついた美

幸の気持ちが悲しかった

。でも、そうしなければ

ならない程彼女はヒデを

愛していたのだろう…。

「…美幸は元気?」

勇気を出して、聞いてみ

た。

「元気にしてたよ。コンビニでバイトしながら、調理師免許取るんだ、って言ってたよ…。」

今さら、彼女の事を聞い

ても憎しみも友情も湧い

ては来なかった。

「別れてから、連絡取っていないんだ…。」

「……そう。」

彼は伏し目がちにそう言

った。

「…今日、会えて嬉しかったよ。正直、ホントに来てくれるか不安だったんだ。お前にこんな酷い事して……。」

その時のヒデの笑顔はあ

の頃と変わらない、私が

知っている笑顔だった。

「私も、どうして急に美幸といなくなっちゃったのか知りたかったの…。いろんな話し、いろんな人から聞いたけど何か真実か分からなくなって…ヒデの口から、本当のコト、聞きたかったの…。」

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